平成30年8月15日。
平成最後の終戦記念日。私は「昭和最後の終戦記念日」を思い出さずにはいられなかった。昭和63年8月15日ー。昭和天皇は側近の制止を振り切り、那須御用邸でのご静養を一旦中断され、進退ご不自由なお身体を押して、日本武道館での全国戦没者追悼式に臨まれた。あの時の、昭和天皇の崇高なお姿が忘れられない。昭和天皇は年代の確かな歴代天皇で最高齢の87歳でいらっしゃった。この日に詠まれた御製。やすらけき世を祈りしもいまだならずくやしくもあるかきざしみゆれど渾身の平和への「祈り」だった。その事実を顧みつつ、平成最後の終戦記念日での今上陛下の「おことば」を、謹んで掲げさせて戴く。「本日、『戦没者を追悼し平和を祈念する日』に当たり、全国戦没者追悼式に臨み、さきの大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします。終戦以来既に73年、国民のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、苦難の往時をしのぶとき、感慨は今なお尽きることがありません。戦後長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ、ここに過去を顧み、深い反省とともに、戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願い、全国民と共に、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります」私ども国民は、昭和ー平成を貫く厳粛な祈りを、
深く肝に銘じるべきだろう。